vol.123 糖尿病と熱中症
- 糖尿病パンフレット
糖尿病と熱中症
熱中症の実態調査によると高血圧や糖尿病、心臓病、認知症などの持病がある人は、熱中症のリスクが高くなります。さらに、血糖値のコントロールがうまくいっていないと、血管や神経が傷つき、汗をかきにくくなります。
その結果、体に熱がたまりやすくなり、熱中症になる危険がさらに高まります。
今回は、そんな熱中症について、わかりやすくご紹介します。
熱中症が発生する場所
熱中症といえば、暑い外でなるものと思いがちですが、実は家の中でも起きています。
熱中症が起きた場所を見てみると、一番多いのは「住居」です。外出先の屋内もあわせると、全体の4割以上が室内で起きているのです。「家だから安心」と思わず、むしろ「家だからこそ」こまめに水分をとるようにしましょう。無理をせず、扇風機やエアコンを使うことも大切です。

総務省 令和6年7月熱中症による救急搬送人員発生場所別構成比より改変
熱中症対策には こまめな水分補給を
熱中症予防には、こまめな水分補給が不可欠です。
「喉がかわいた」と感じる前に飲むのがポイントです。
水分をしっかりとるために、こんな工夫をしてみましょう。
・起きた時、ねる前、食事の時、お風呂の前後、外に出た時など、飲むタイミングをきめておく。
・飲んだ量がわかりやすいボトルを用意する。
・外出時にはマイボトルをもちあるく。
水を飲むことは、熱中症予防だけではなく、腸内環境を整え免疫を高めるためにも必要です。
これを機会に、こまめな水分補給を習慣づけましょう。
また、熱中症で搬送される人の約6割は高齢者です。高齢の方は、のどの渇きを感じにくくなっていることがあり、症状に気づきにくく、重症になることもあります。
スポーツドリンクは?
スポーツドリンクとは、運動時に失われる水分や電解質を効率的に補給することを目的とした清涼飲料水です。ブドウ糖などの糖分や、ナトリウム、カリウムなどのミネラル(電解質)が含まれています。
スポーツドリンクでも糖質をカットしているもの、人工甘味料に置き換えている商品があります。そういったものであれば急激な高血糖を避けることができます。
とはいえ、人工甘味料が糖尿病のリスクや肥満を助長するという議論もあるため、日常的に飲むことはおすすめできません。
