vol.119 糖尿病のおくすり
- 糖尿病パンフレット
糖尿病のおくすり
糖尿病治療の三本柱は「食事療法」「運動療法」「薬物療法」です。身近な食事や運動に比べて、薬物療法は「医師に処方された薬を服用する」ことが前提となります。薬を処方される際、医師や薬剤師から薬の説明を受けますが、「いつ、どの薬を、どのくらい飲むか」を把握することに集中しすぎて、薬の効能についてはつい聞き流してしまうこともあるかもしれません。
そこで今回は、糖尿病治療に用いられる薬についてご紹介します。
特徴 | 種類 | 主な作用 | 主な処方薬の名前(有効成分の名前) |
糖の吸収を 調整する薬 | α-グルコシダーゼ阻害薬 | 食事からの糖の吸収をゆるやかにして、血糖値の急激な上昇を抑える | グルコバイ(アカルボース)、ベイスン(ボグリボース)、セイブル(ミグリトール) |
インスリンを 出しやすくする薬 | スルホニル尿素薬 | インスリンの分泌をうながす | グリミクロン(グリクラジド) アマリール(グリメピリド) |
速攻型インスリン分泌促進薬 | より速やかなインスリン分泌をうながす | グルファスト(ミチグリニド)、シュアポスト(レパグリニド) | |
イメグリミン | インスリン分泌や筋肉での糖利用をうながし、肝臓での糖の合成を抑える | ツイミーグ | |
DPP-4阻害薬 | 血糖値が高い時に血糖値を下げるインスリンの分泌をうながし、血糖値を上げるグルカゴンの分泌を抑える | ジャヌビア、グラクティブ、エクア、ネシーナ、トラゼンタ、テネリア、スイニー、オングリザ、ザファテック、マリゼブ | |
GLP-1受容体作動薬 | 血糖値を下げるホルモンであるGLP-1の作用を強め、インスリン分泌を促し、グルカゴン分泌を抑える | 注射薬:ビクトーザ、トルリシティ、オゼンピック 経口薬:リベルサス | |
インスリンを 外から補う薬 | インスリン注射薬 | 十分に分泌されなくなったインスリンを、外から注射で補うことにより血糖値を下げる | 効果があらわれるまでのタイミングと持続時間により、超速効型、速効型、中間型、混合型、配合溶解、持効型溶解 の6つに分類される |
インスリンの 働きをよくする薬 | ビグアナイド薬 | 肝臓での糖の合成を抑える | メトグルコ(メトホルミン) |
チアゾリジン薬 | 筋肉や肝臓でインスリンの働きを高める | アクトス(ピオグリタゾン) | |
糖の排泄を促す | SGLT2阻害薬 | 腎臓でブドウ糖の再吸収を抑え、尿からのブドウ糖排泄を促進する | スーグラ、フォシーガ、ルセフィ、デベルザ、カナグル、ジャディアンス |
日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイド 改変
